生産者が直接、採れたての野菜や果物、手作りの加工品などを持ち込み、手ごろな価格で販売している直売所は、旬のおいしさが集まる場所だ。
JAが運営している直売所だけでも県内に約30カ所点在している。中には、地酒コーナーが充実している直売所もあるので、お酒とつまみをセットで購入するにはもってこいのスポット。
2024年春をめどに合併が進んでいるJAの中で、2023年4月1日に誕生したのがJA新潟かがやき。北蒲みなみ・ささかみ・新津さつき・新潟みらい・越後中央の5JAが合併し、正組合員数は約29,000人、准組合員数は約30,000人。
新潟市西区・西蒲区・江南区・秋葉区、五泉市、燕市に直売所がある。
直売所の中でも規模が大きく、地酒が充実しているのが新潟市西区のファーマーズ・マーケット いっぺこ~とだ。
平日でも午前9時30分の開店と同時に多くの人が訪れ、店内は賑わい、生産者が丹精込めて栽培したフレッシュな食材や花などを買い求める。
いっぺこ~とで販売している日本酒とともに、日本酒のつまみにしたい、この時季おすすめの食材や加工品を紹介しよう。
米コーナー近くに設置されている酒コーナーには、県内各地の銘酒が勢ぞろいしている。
ここで販売する地酒などをセレクトしている新潟県酒類販売新潟東支店の齋藤謙介さんは「県内の人気の高い商品やおすすめ商品をセレクトしてご提案しています。3月に開催された『にいがた酒の陣』限定酒や季節限定酒などもありますので、じっくりご覧になっていただき、好みの1本を選んでいただきたいですね」と説明する。
プレゼントにしたくなるような見た目にもかわいい日本酒も。
セット品や企画品、小瓶やカップ酒などもあるので、目的と好みに合わせて選ぶことができる。
県内の日本酒蔵で造る酒粕焼酎や米焼酎もあるので、焼酎派はぜひ試してみて。
日々の晩酌、大切な人への贈り物のほか、これからの季節はアウトドアのシーンで楽しむ日本酒を食材とともに購入するという利用方法もある。
ゴールデンウィーク開けからは、キンキンに冷やしたり、ロックで楽しむ夏酒も並び始めるので、季節ごとに日本酒コーナーをチェックしてみよう。
いっぺこーとには直営の豆腐工房と惣菜工房がある。
豆腐工房では南区産の大豆を使った木綿、ソフト木綿、寄せ豆腐の3種類の豆腐を販売。さらに工房内で揚げている、ひと口揚げや三角揚げ、おつまみセットも並ぶ。
「惣菜工房では地元の食材をふんだんに活用した手作りの主菜、副菜、サラダなどを販売しています。野菜はもちろん、店内で販売する生産者のものを使用しています」と店長の吉田朝さん。
4月から5月が旬のカブと、そのカブを使った「焼きかぶのマリネ」。
白根ポークのひき肉と豆腐工房の豆腐を使い、こめ油で揚げた「豆腐メンチカツ」も人気の一品。日本首都の相性も抜群な、アウトドアにもぴったりなつまみだ。
店長の吉田さんにこの初夏におすすめの食材を聞いた。
「カブは5月中まで楽しめますが、この時季のものが一番柔らかいですね。そして何と言っても山菜。主に五泉市や阿賀町の生産者が収穫・栽培するさまざまな種類の山菜が並びます」
初春には高嶺の花だった山菜も、旬の時期にはかなり手ごろな価格になるのもうれしい。
※カレンダーは例年のもの。今年は1~2週間早く出荷されています。
3月のふきのとうから6月のミズまで、約20種類の山菜が販売される。
さらにうれしいのは、それぞれの山菜とともに料理方法を記載したポップやカードが付いていること。山菜料理ビギナーでも、これがあれば安心。「こごみのクリームチーズ和え」は、ぜひ日本酒と合わせてみたい一品だ。
4月中旬ころまで楽しめる「たらの芽」。
「たらの芽」「こしあぶら」の天ぷらや、うるいの酢味噌和え、こごみの胡麻和えなど、晩酌のお供に楽しみたい。そばも用意すれば、ますます日本酒が進みそうだ。
※写真はイメージです。
いっぺこ~とのアイス工房には、飲んだ後の締めに味わいたい、地元食材を使ったジェラートも販売している。常に行列ができる人気コーナーだ。
種類は定番のほか、季節の果物や野菜を使ったものなどが登場するので、行くたびに新たな味わいに出合える。夏は茶豆のジェラートも登場する。
花売り場の一角には、書籍コーナーもあり、『新潟発R』や『cushu手帖』なども販売している。新潟の酒の物語を楽しみつつ、春酒を地元の旬とともに堪能してほしい。
いっぺこ~とでは月ごとにさまざまなイベントも開催しているので、公式Instagramのイベントカレンダーや店内の掲示で予定を確認し、イベントに合わせて出かけてみよう。
写真協力:ファーマーズ・マーケット いっぺこ~と
「本間文庫にいがた食の図書館」運営
高橋真理子