「モノ」づくりと「コト」づくりを通して日本酒の楽しさ、豊かさを体現する『菊水』
菊水酒造

菊水酒造KIKUSUI shuzo

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PICK UP 2018

菊水は日本酒をもっと面白くしてまいります。まずは「にいがた酒の陣 2018」で皆様にお会いできることを楽しみにしています。

正面にはレトロモダンな建物

菊水酒造は、生原酒缶の『ふなぐち菊水一番しぼり』や季節限定のにごり酒『五郎八』といったユニークな商品を業界に先駆けて発売。幅広い飲み手から支持され、今や押しも押されもせぬ看板商品となった。

飲み手の笑顔がチャレンジの源泉

菊水酒造株式会社取締役の菊地秀一さん

これらが発売された1972年当時、業界では生酒を市販する態勢や流通システムが確立されていなかった。そんな中、菊水酒造は容器をアルミ缶にすることで品質保持を実現。生原酒の通年流通という新たな風を市場に吹き込んだ。
当時はリスクでしかなかった生酒の販売を、柔軟な発想と進取の精神で解決。市場での販売を可能にしたのは、ほかでもない「お客様の声」だと菊地秀一取締役は感謝する。
「どうすればお客様が喜んでくださるか。その一点を常に考えるのが、菊水酒造のカルチャーなのです」。「旨い」という飲み手の笑顔に出会うため、より良い酒を求めてチャレンジし続ける姿勢は、今も今後も変わることはない。

生酒のパイオニア、いまなお進化

自社で育てる田んぼもすぐそばにある

ロングセラー商品の多くは、その「変わらぬ味わい」に惚れ込む飲み手によって支えられてきた。菊水酒造の商品もまさにそうだ。
しかし、時が経てば市場や飲み手の層は変わるもの。菊水酒造では「いつもの味」に一層の磨きをかけるべく、進化を重ねてきた。
たとえば、発売当初は二級酒だった『ふなぐち菊水一番しぼり』は、級別制度の廃止とともに本醸造酒にスペックアップ。
2017年には基幹商品のリニューアルを行い、原料米の規定に「新潟県産米100%」を設け、ラベルに表示した。また、『菊水の辛口』や『菊水の純米酒』では、通常2度行う火入れのうち搾った後のみ、行う「生詰」を採用しており、その表示もラベルに刻まれることとなった。
『菊水』を愛飲する人たちの期待に応える努力は、こうした小さな革新の積み重ねによって続けられている。

飲む「コト」をより楽しいものに

「菊水日本酒文化研究室」には、専門書から日本酒に関わる文化的資料が多数収蔵されている

「お酒は楽しいものであり、面白いもの」。こうした考えから、菊水酒造では日本酒にまつわる「モノ」づくりに加え「コト」の提案を行うさまざまな活動を行っている。
東京・秋葉原にある直営店「KURAMOTO STAND」では、酒や発酵食品が気軽に楽しめるカフェを展開。ここで提供される『十六穀でつくった麹あま酒』はたちまち人気メニューとなり、2017年に市販化された。
さらに、日本酒に関する知識や日本酒文化に接することができるセミナーも開くなど、情報発信にも貢献。飲む「コト」をより楽しいものにする場やきっかけを提供する。
こうした活動を支える拠点が、菊水酒造内にある「菊水日本酒文化研究所」だ。ここには日本酒の歴史や文化、伝統的な醸造技術を継承するための資料や施設が整っており、飲み手への啓蒙活動や人材育成などにも広く役立てられるのだという。
醸す、伝える、飲む楽しみを提供する。菊水酒造の活動の向こうに見据えるのは、笑顔で杯を傾ける飲み手の姿である。

チャレンジ精神で逆境を乗り越える

菊地秀一取締役:『ふなぐち菊水一番しぼり』などユニークな商品を次々と輩出してきた菊水酒造は1881年、初代蔵元の髙澤節五郎が酒の製造権を本家から譲り受けて創業。1964年の新潟地震、1966、67年の下越大水害による廃業の危機を乗り越える中で培ってきたのが、新しい分野に積極的に取り組むチャレンジ精神でした。
そんな私たちの挑戦を常に後押ししてくれたのが、お客様の「こんなお酒が飲めたら」の声や「おいしい」のひと言。今後も私たちの酒を飲んでくださる方、販売してくださる方の声に耳を傾け、感謝の気持ちを大切にしながらより良い酒を醸していきます。

蔵元が自信を持って勧める日本酒を、いくつか紹介しよう。

取材・文 / 市田真紀