「錦鯉ボトルの日本酒」はなぜ生まれた?今と昔、人と人を結ぶ「酒の力」とは
今代司酒造

越後桜酒造ECHIGOZAKURA shuzo

一覧へ戻る
PICK UP 2018

料理を引き立て、毎日飲める酒造りを目指しています。「にいがた酒の陣 2018」では、生酒や限定の酒などを用意してお待ちしています。

発酵タンクが整然と並ぶ「白鳥蔵」 越後桜酒造 執行役員社長の長昌幸さん

越後桜酒造を代表する酒といえば、 『大吟醸 越後桜』である。「大吟醸を日常酒として気軽に飲んで欲しい」との想いが込められたこの酒は、約15年前の発売以来人気を呼び、今では蔵で出荷量一番の酒になった。

大吟醸を日常酒に

発酵タンクが整然と並ぶ「白鳥蔵」 発酵タンクが整然と並ぶ「白鳥蔵」

一般的には高級酒とされる大吟醸にもかかわらずリーズナブルな価格で購入できる点が、飲み手の心を掴み続ける理由のひとつとなっているようだ。
2009年に全面改装した「白鳥蔵」には大吟醸を効率よく醸造することができる設備が整っており、ほぼ年間を通して生産。フレッシュローテーションが可能となり、品質の良さと手に取りやすい価格との両立が実現したことも大きな要因といえる。
華やかな吟醸香がありながら料理の引き立て役に徹した上品な酒質もまた、飲み手を惹きつけて離さない。日々の食とともに楽しめる「テーブル大吟醸」こそ、蔵元が求めてきた理想の酒だ。

造り手の「和」で良酒を醸す

ゆったりとした空間ながらコンパクトに設計された「白鳥蔵」は、見学が可能 ゆったりとした空間ながらコンパクトに設計された「白鳥蔵」は、見学が可能

白鳥の飛来地として有名な瓢湖(ひょうこ)にちなんで名付けられた「白鳥蔵」には、多くの観光客が見学に押し寄せる。
社長の長(おさ)昌幸さんは「大吟醸に代表される高品質な酒を手ごろな価格で提供できる理由をお客様に知っていただく上で、蔵見学はとても有意義」だと語った。
ここでは、20~50代の蔵人たちが日々『越後桜』を醸している。杜氏にあたるプロフィットマネージャーの大竹豪さんが「年齢や経験の別なく、チームワークは良好」と話すとおり、見通しのよい蔵内では蔵人同士が頻繁に声を掛け合う様子が見て取れる。
運がよければ、酒蔵見学で、そんな蔵人たちによる“和醸良酒”のワンシーンに立ち会えるかもしれない。酒造りの背景に触れて飲む一杯は、さぞ旨いことだろう。

阿賀野の魅力発信に貢献

2台据えられた圧搾機を中心に、配置された機器が壮観 2台据えられた圧搾機を中心に、配置された機器が壮観

「瓢湖は『白鳥の飛来地』としてあまりに有名ですが、10~3月のシーズンでなくてもあやめや桜、あじさいなど、四季折々の景観が楽しめるんですよ」と、長社長。
近隣には温泉地も多く、「白鳥蔵」も阿賀野市の観光コースのひとつとして貢献できたらと意気込む。 「白鳥蔵」の楽しみは、酒蔵見学だけにとどまらない。
蔵限定で楽しめる生しぼり酒の試飲や販売、地元で製造される発酵食品や染め物などの物産品もあり、さながら阿賀野のちいさなアンテナショップのよう。個人での訪問は予約不要とあって、観光客の立ち寄りスポットとしても人気が高い。
「造り手と飲み手との距離をもっと近く」との強い想いが、蔵元にはある。地域や飲み手にとってより身近な蔵になることこそ、越後桜酒造にとって最大の願いなのだ。

地元の米と水を活かす

長社長:阿賀野市は、観光スポットが多数あるだけでなく、米どころとしても有名。『越後桜』の酒に多く使われている「こしいぶき」も、もちろん地元産です。また、豊富な水量と恵まれた水質を誇る阿賀野川水系の水も、自慢のひとつ。これらの資源と造り手の技とがひとつになって生まれる『越後桜』の味わいを、ぜひお楽しみください。

では、蔵元が自信を持って勧める日本酒を、いくつか紹介しよう。

取材・文 / 市田真紀